ゴールは「受験の合格」ではない!
気がつけば、2017年も最終月になっています。
中・高・大学受験は、ここからがラストスパートです。
「年末年始も、休まず勉強!」などというと、大変なことをしているように感じるかもしれませんが、
お正月だからといって、顔を洗ったり歯を磨くのをやめる!と言う人は、逆にめずらしいですよね。
(お正月じゃなくても洗顔や歯磨きしない方は、お正月ももちろん、磨かないでしょうけど。。)
日々の学習を、歯磨き感覚で出来たら、勉強そのものが「苦」ではなくなります。
習慣化の第一ステップは、21日間で完了するそうです。
年末に向けて、今からでも、習慣を作りなおしましょう。
さて、今日は、「受験の目的」について、書かせていただきます。
Contents
なんのための受験勉強か
受験をする目的を考えるとき、
もちろん、そこには、「志望校への合格」という目的が、あることでしょう。
あまりに当然すぎて、この問いかけ自体が愚問だと感じられるかもしれません。
ですが、志望校への合格「だけ」を、受験の目的にしてしまっては、いないでしょうか。
合格のためだけの受験勉強は、苦しい。
人は目的があるから、行動する
勉強に限らないことですが、
何かの行動をする時、そこには、何かしらの意図というか、目的があるはずです。
(もちろん、「あてもなくさまよう」などということも、時にはあるでしょうが。)
目的があって、行動をすると、
結果は、大きく2つに分かれます。
①目的が達成された場合
と
②目的が達成されなかった場合
です。
①目的が達成された場合
当然、目的の達成を意図してやった行動ですから。
「ああ、行動しておいて、よかったなぁ。」
となります。
②目的が達成されなかった場合
これは、そのためにやった行動が、成果をあげなかったわけですから、
「行動しても、意味がなかったじゃないか。」
となるでしょう。
下手したら「行動しないほうが、よかった。」と後悔することにすら、なるかもしれません。
合格「だけ」を目的として受験勉強をする場合
ここで、あらためて、「志望校に合格するためだけ」の受験勉強について、考えてみます。
目的は、「志望校への合格」です。
この場合、毎日の「受験勉強」という行動に対して、
その日の晩、①目的が達成されたと言えるでしょうか。
あるいは、②目的が達成されていないと言えるでしょうか。
正確には、「まだ、目的が達成されていない」ですから、①でも②でもないですね。
結論が出ていないわけですから。
ですが、どちらが近いか、と考えたら、
圧倒的に、「②目的が達成されていない」ほうになります。
今日の受験勉強が、合格を保証してくれはしないからです。
この場合、目的が達成されるのは、最速でも合否発表の時、となりますから、
合否発表のその瞬間まで、結果がわからない不安の中で、日々を過ごさないといけません。
結果がわからないですから、
今日の自分の行動についても、「良かったか」「悪かったか」ということがわかりません。
「なんで、こんな勉強してるんだろう。」
とか、
「この勉強って、何かの役に立つのだろうか。」
などと思うこと自体が、
「合格のためだけの受験勉強」をしていることの、ひとつの兆候とも、言えるかもしれません。
「試験に合格した。しかし受験勉強には失敗した。」
合否だけを目的として受験勉強をすることは、想像しても大変で、つらく、厳しいものです。
そうすると、「受験勉強=つらい」という方程式になります。
これは、受験生本人だけではなく、保護者の皆様にとっても、同じことが言えるでしょう。
そして、問題なのが、
「受験勉強=つらい」の方程式が、
ほぼ自動的に「勉強=つらい」に変換されてしまうことです。
そうすると、何が起こるでしょうか。
たとえ受験に合格したとしても、多くの場合、
受験が終わった後に、圧倒的に勉強をしなくなるということが、考えられます。
俗にいう「燃え尽き症候群」というやつです。
そうすると、進学後に、早晩、勉強につまずく可能性も、容易に想像できます。
そして、一度、勉強につまづいてしまったところから挽回をするには、それまでの倍のエネルギーが必要になるのです。
受験には合格したとしても、長期的な視点で見たら、
果たして、その受験勉強が良かったのかどうかは、なんとも言えないということになってしまいます。
合否だけでない「受験勉強の意義」を
受験勉強を進めていく際は、
本番の合否だけではなく、その途中のプロセスでも「達成感」を感じられる目的を持つことが重要です。
例えば、
「毎日、継続する経験を積むこと」や、
「自分の気持ちを律すること」、
あるいは「決めたことをやる習慣を身につけること」などです。
できれば、毎日のように、
「今日を、100%やりきることができた!」
と、達成感とともに眠りにつけるようにすることが重要です。
1日、1日を、新たな気持ちで迎え、
1日、1日を、充実感とともに終える。
そんな、「生きている」ことを最大限に実感できる日々として、
受験期を過ごしていっていただければな、と願っています。
受験生の皆さんも、
保護者の皆様も、
「今日1日をやりきる」ことで得られる感覚を、
ぜひ、受験というイベントを通じて、体感してみてください。
皆様の受験を、心から応援しております。