指導者は必見!伝えたいことを、確実に伝えるための「たったのひと工夫」
今回は、
伝えたいことを、確実に伝える方法について、書きます。
お子さまをお持ちの保護者の方のみならず、
生徒を抱えている先生や、
仕事で部下を持つビジネスマンや経営者の方にも、
お役に立てるノウハウです。
お子さまや、生徒、部下に対して
「あれやっといて」とか、
「これは、こうするんだよ」
と、指示したり教えたり、したのに、
忙しい中、わざわざ時間をとって伝えたのに、
言ったことを全然やってくれなくて、
やったはいいけど、全然、できてなくて、
「ちゃんと、〜してって言ったじゃない!」
「え、そうだっけ?/聞いてないよ?」
というやり取りに、イライラすること、ありませんでしょうか。
私自身、
家庭教師として、生徒に指導をしてきて、
あるいは、公私とわず、いろいろな方と関わらせていただく中で、
そんな経験をしたことが、何度となく、ありました。
「伝えたはずなのに!」
と、伝わってないことにイラつく、というのは、
「自分が説明がうまい」と勘違いしているからで、
それって、傲慢なことなんですが、それに気づけていませんでした。
他の○○さんは、わかってくれるのに。
「説明上手ですね」って、言われてるのに。
わからない人の理解力が足りていない!
思うところまでは、自由です。
でも、そうやって受け手のことを非難したところで、
伝わってない現実は、変わらないままです。
それって、
キャッチボールに例えるなら、
自分が150km/hの豪速球を投げられるから、
それをど真ん中に投げれば取れるだろう。
みたいな感覚です。
伝え方に思いやりがなければ、
伝わるものも、伝わらなくなって、当然でした。
まずは、
「自分の伝え方が、未熟なのかもしれない。いや、至らないところが多々あるに違いない。」
と思うようになったことで、
自分が考えられる限りの、丁寧な伝え方を意識できるようになりました。
これだけでも、伝わり方が、明らかに変わっていきます。
それでも、伝えたはずのことが伝わらない、ということは、ありえます。
ですが、
たったのひと手間かけるだけで、
コミュニケーションの伝達ミスを、極限までなくすことができます。
その「ひと手間」とは、
相手が、どう受け止めた(どう理解した)かを、最後に確認する。
ということです。
「つまり、自分が伝えようとしたことって、どういうことか、わかる?」
と、話の要約をしてもらいます。
話が伝わっていない時は、
この「相手に受け取った内容の要約してもらう」ことを、していないことが多いです。
むしろ、
コミュニケーションにおいて、伝えた内容の確認を求められることが、そこまで多くないのではないでしょうか。
先ほどのキャッチボールの例になぞらえるなら、
投げたボールは、キャッチされるものと思いこんで、
ボールを投げっぱなしにしている状態です。
世の中には、投げっぱなしにされてるボールって、結構あるのかもしれません。
相手に、伝えた内容の要約をしてもらうことは、
余分に時間がかかってしまい、面倒なように思えるかもしれません。
ですが、伝えた内容を確認してもらうことは、
かけた時間に対して、得られるメリットの方が大きすぎるため、非常に効率の良い時間の投資だと言えます。
以下に、伝えた内容をまとめてもらうことの5つのメリットをあげます。
Contents
①相手の受け取り能力(理解力)が把握できる
キャッチボールの相手が取れるのは、150km/hのまっすぐでしょうか?
それとも、120km/hなら取れるでしょうか?
90km/hのスローボールで投げる必要がありますか?
相手によって、取れるボールのレベルは違います。
90km/hをキャッチできるのが精一杯な人に、150km/hのボールを投げるのは、暴力でしかありません。
かといって、150km/hだって取れるよ、という人にも、90km/hで投げ続けるのは、まどろっこしいし、効率的とは言えません。
それから、相手の取れるボールのレベルも、変化していきます。
受容できるキャパが上がることもあれば、逆に状況によっては、下がっている時もあるでしょう。
その微妙な違いを見極めるためには、「実際に確認する」ことがベストの方法です。
そうすると、相手にどんなボールを投げれば、受け取ってもらえるかについて、
どんどん情報がたまっていきます。
結果的に、より適切な言葉を選んで、伝えていくことができるのです。
②相手が、聞いた内容を記憶にとどめやすい
まさに、ここはF式でもお伝えしている復習の真髄です。
伝えた内容を、その場で確認することで、「1回目の復習」が完了します。
勉強のやり方や、業務の手順を伝えた場合は、
そのあと、実際にやってみる段階で、「2回目の」復習ができます。
その後、何度も繰り返すことで、継続した復習ができ、スキルとして定着していきます。
もし、1回目の復習がなされていなかったら、
実際にやってみる段階で、曖昧な記憶をもとに「とにかく、やってみる」ことしかできません。
そうすると、もとの情報が曖昧なので、正しいスキル・知識として、定着していかないのです。
ミスを指摘されて、もう一度やり直します。
でも、何が違うかイマイチわかってないので、また間違えます。
そのうち、自分なりのやり方で、なんとかこなすことはできるようになりますが、
もとのノウハウとは、異なった我流の方法に、なってしまうかもしれません。
この段階を伝えた側が見て、「言ったことが、全く伝わってない!」と憤るのです。
③受け手に、「要約する能力」が身につく
「つまりはどういうこと?」をまとめるように要求すると
聞き手が、要点を拾いながら聞くという習慣が身につきます。
物事の理解は、本質をつかめるか、どうかが重要になってきます。
ポイントを押さえながら、話を聞く習慣が身につくことで、物事の本質の理解が着実に進んでいきます。
結果的に、短時間で効果的に学習を進める考え方を手に入れることができるのです。
④伝える側が、要点を意識しながら話をすることができる
相手に伝えた内容の要約を促すことは、逆に、伝える側の質を上げることにもなります。
相手に、「要は、どういうこと?」を求める以上は、
自分の中に、「つまり、こういうこと」という答えがあること、それを意識していることが必要です。
話をしていて、要点がなくとりとめのない話をしてしまう。ということも、伝える側にありがちなNGパターンですが、
「伝える内容」を整理しながら話すことで、より伝わりやすい話し方が、結果的にできるようになります。
⑤うながしたい行動への「コミットメント」を取れる
話の内容を理解した後は、
「そしたら、どうしたらいいの?」の、実際の行動ができて、初めて「伝わった」ということになります。
伝えた内容をまとめて、つまり「何をすれば良いのか」を相手に宣言させることで、
その行動をとってもらいやすくなります。
私自身、小学校受験の教室を開講していますが、
廊下を走りだしてしまう生徒に「廊下を走ってはいけません!」とは、言いません。
必ず、「廊下を走ってはーー、」で、言葉を区切ります。
そうすると、生徒の子は、「いけません」とか「ダメです」と言って、
自分から、静かに歩いてくれます。
伝えたい意味を理解していれば、正しく行動をすることは可能です。
答えをこちらが言うのではなく、本人に言ってもらうようにするのが、
スムーズに行動を導くポイントです。
まとめ
相手に、伝えた内容の要約をしてもらうことの、5つのメリットについて、ご紹介しました。
伝えたいことが、相手にうまく伝わっていない、と感じている方は、
ぜひ、相手に「伝えたことのまとめ」を、教えてもらうようにしてみてください。
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